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【これを書かないと損⁈】ミュージシャンやクリエーターなど個人事業主向けの請求書の書き方|テンプレート有り

投稿日:2020年2月5日 更新日:

2月に入りもう間も無く確定申告の時期がやってきますね!

お金のことって凄く大切ですが、その分ややこしいし、ちゃんと学ぶ機会もあまりないので、なんとなくになりがち…。

かく言う僕もその一人ですが、実はそれで損していることにも気づかないままだったりするのは、国の思う壺なわけです。

今回はその中でも報酬を得るための入口部分でもある請求書に関して、改めて勉強し直して色々と見えてくることがあったので、備忘録としても書きまとめてみようと思います。

ただ最初に言っておきますが、僕も素人なので、何か間違っていることがあればTwitterにでもご意見くださいませ。

どうやって請求してる?

まずはじめに、皆さん、普段どのような請求書を出していますか?

調べれば誰かが配布しているテンプレート等が山ほど出てくるので、そういった雛形を参考にしつつ作成している人がほとんどかと思いますが、その形式に疑問を持たずに使っている人が多い気がしています。(僕もそうだったので)

実際に先日アンケートを取った際も、源泉を記載せずに請求書を出すという人が一番多かったですし(めちゃくちゃ回答数少なかったですがw)、消費税やら源泉やら、よく分からないけど3万円くれるって言うなら、3万円!!って書いて出しますよね。

相手が会社の場合なら経理や税理士がいるでしょうし、そうしても基本的に法的に問題になることはありませんが、その場合だと計算方法を先方に委ねることになるので、本当は手取り契約で支払うつもりだったのに、源泉分を引いた支払いにされてしまったり、逆にこっちが知らないばっかりに相手に多く源泉分を払わせるような請求書を提出してしまっているケースも考えられます。

まぁ損といっても報酬金額が数万から数十万円あたりで数百から数千円の話ですが、フリーランスで生計を立てている方となると年間ではかなりの額が変わってくるので、知っておいて絶対に損はないわけです。

そうならないためにも、仕組みを理解した上で自らきっちり選択をして、正しい請求書を出せるようになりましょう!

5つの請求パターン

そもそも請求には5つのパターンがあるのをご存知でしょうか?

これは先方から報酬額をどう伝えられるかによっても変わりますが、例えば「報酬は3万円でお願いします」と言われたとします。

この場合の5つの請求方法は

①税込30,000円だと源泉-3,063円で26,937円の振込

②税抜27,273円だと源泉-2,784円、消費税2,727円で27,216円の振込

③税抜30,000円だと源泉-3,063円、消費税3,000円で29937円の振込

④税抜30,063円だと源泉-3,069円、消費税3,006円で30,000円の振込

⑤税抜33,069円だと源泉-3,376円、消費税3,307円で33,000円の振込

ということになります。

いかがでしょうか?

振り込まれる金額に少しずつ差が出ていますよね。

これらの違いをしっかり把握していないと損してしまう可能性もあるので、理解した上で請求書を作成してやりとりをすること、そしてその場合の注意点等を提案するのが今回の主題というわけです。

金額だけ見ると振込金額の一番多いものに目がくらみそうですが、勝手にそのような請求をすると信用を失いかねないので、焦りは禁物ですからね!

1パターンずつ内容を確認して、正しい請求方法を学んでいきましょう。

請求パターン①

まず一番やってしまいがちな①。

これは②と似ているようで微妙に違います。

何が違うのかというと、源泉の金額を税込の金額から算出しているか、税抜の金額で算出しているかの違いになります。

源泉徴収というのは国税庁のページにもこのような記載がある通り

請求書等に報酬・料金等の金額と消費税等の額とが明確に区分されている場合には、消費税等の額を除いた報酬・料金等の金額のみを源泉徴収の対象としても差し支えありません。

国税庁 – No.6929 消費税等と源泉所得税及び復興特別所得税

税込にかけるか税抜にかけるかは、どうちらでも良いということになっています。

どちらでも良いのであれば少なくなる方が良いに決まっているので、税抜金額を請求書に明記し、税抜額で源泉計算したものがベストということになります。

これをわざわざ税抜を記載せずに税込から算出した源泉額を記載してしまうと無駄に多く税金を支払うことになってしまうので、気をつけなければなりません!

もちろん源泉徴収というのは所得税の前払いなので、税込で源泉を計算して多く払ってしまった場合も確定申告をすれば年間の合計額にて調整がされるため、結果として損するというわけではありませんが、ほとんど確定申告するであろう個人事業主は良いものの、毎年確定申告するわけではないかもしれない副業で稼ぐサラリーマンの人の場合は、確定申告をしなければ多く支払ったままとなり、ただの損になってしまいますからね。(まぁそれを言い出すとそもそもちゃんと確定申告をすれば引かれた源泉分が全額戻ってくる場合もあるので、税込・税抜計算と関係なく確定申告をしないと損になるとも言えるんですけど)

そんな少しでも損をしないため、そして源泉徴収の仕組みを理解するためにも、税抜金額を明記し、そこから源泉額を算出したものが次の②となります。

請求パターン②

この②か、次の③が一番一般的で無難な請求方法と言えるので、基本的にはこの形で請求できるフォーマットを準備しておくと良いと思います。

これは報酬3万円を税込3万円と捉えるが、①とは違って源泉に関しては一度税抜の単価で計算し、そこに後から税込3万円になるように消費税を乗せて合計額を請求するという計算方法になります。

まぁ分かってくれている企業であれば何も記載せずにただ3万円!って書いた請求書を出しても振り込まれる際には、このように計算されて振り込まれることが一番多いとは思いますが、支払う企業側としては①も②も合計で払う金額は変わらず(どちらも計30,000円)、①のパターンだと請求側(自分)が先に多く所得税を払っているという状態になるため、確定申告にて再計算されるまでは身入りとなる現金は少なくなってしまうということです。

請求パターン③

続いてこちらは提示金額を税抜と捉えるパターン。

個人事業主の場合は年間1000万円以上売り上げていない限り、消費税の納税は免税となるので、単純にその分も収益として換算されます。(2023年にインボイス制度が導入され、適格事業者になる場合はその限りではないですが)

事前に税込3万円でと言われていれば別ですが、そうでないのであれば、源泉とは違って請求額に消費税を乗せるのは割と一般的ではないかなと。

一応2021年の4月からは消費税込みの総額表示の特例措置も終わり完全に義務化されるため、今後は基本的に提示される金額は税込と捉える時代になるかもしれませんが、個人事業の場合、仕事の内容によって最初から単価を提示できなかったり、企業側から「3万円でお願いできますか?」といった発注もあったりするため、それが税込なのか税抜なのかは割と曖昧だったりもしますからね。

そういった場合に請求書に消費税を記載せずに出してしまうと、そのつもりじゃなくても税込として解釈する方が企業にとっては安上がりのため、そのように計算されて支払われることが多く、これまで何も書かずに請求していた人はそういった部分で損してしまっていた可能性もあるわけです。

しかもこの場合、先程の源泉を税抜・税込どちらで計算するのかと違って消費税分となると単価に対して10%なので、数万円の金額で数千円の違いとなるため、結構大きいですからね。

なので今後はいくらでやってもらえますか?と事前に尋ねられる場合には、3万円で!と思っても「税込33,000円になります」と伝えるのが正しいので、消費税分を上乗せして欲しい人はちゃんとそのように伝えるようにしましょう。

ただ、その場合にも上に書いた請求パターン③の金額の通り必ず税抜金額で源泉の計算を行い、それに消費税を乗せて請求するのをお忘れなく!(この場合も確定申告をするのであればどちらも損するわけではありませんが)

請求パターン④

お次は言われた報酬額がそのまま振り込まれるパターンです。

これは源泉が引かれていないのではなく、企業側で源泉分を上乗せしてぴったりの報酬額になるように計算してくれているということになります。

もちろん仕事の内容によっては源泉徴収されない仕事というものも存在しますが、ミュージシャンの場合はそっちの方が稀だと思うので、言われた報酬額がそのまま支払われている場合にはこのような仕組みになっていると思って間違いないでしょう。

なお、このように言われた金額をそのまま振り込んでもらうことを「手取契約」と言うのですが、個人事業主にとってはこの方が報酬が多くて良いわけです。

これを知ってしまうと金額を提示された際にどちらとも言われてないから源泉を上乗せして請求してしまおう!という人が結構いるようですが、今後のやりとりと信用にかかわるのであまり良い方法ではないためやめましょう。

そうしたい場合には報酬を提示された段階か、その後のやりとりの中で、報酬額は手取りかということを確認するのが一番良いと思います。

ただ、仕事を振ってくれる人がこういったことを理解しているかによっても違うので、どういう意味か伝わらないこともあるのが難しいところなんですが…。

基本的に源泉はお金をもらった側が払うべきものを企業が代わりに手続きしてくれているだけなので、報酬3万円に対して更に源泉分を上乗せしてもらうというのは少し意味が変わってくるんですが、そうしてくれる企業も普通にあるので、見極めが難しいところです。

上乗せでくれるならその方が良いですもんね!

僕個人的な考えとしては、事前に聞くのが無粋な関係であれば、初回に細かい記載をしない請求書を出してみて、振り込まれた金額が②であれば次から②で、④であれば次から④というようにするのが無駄な勘ぐりもなく良いのかなと思ったりもしています。(③のようにわざわざ消費税を上乗せしてくれるような企業はないはず)

まぁそんなせめぎ合いをするのが良いのかは何とも言えませんが、基本的には先ほども書いたように提示された金額から源泉分を引いたものというのが一般的なようなので、②のパターンが無難なことは覚えておきましょう。

ちなみに音楽業界は昔から3並びや取っ払い(現場で現金払い)が当たり前というような風潮があって、言わずもがな手取契約っぽい感じもあるんですが、他の業界では伝えた金額から源泉を引くのが当たり前だったり、業種や会社の規模感なども関わっていそうで一概には言えません。(源泉徴収税率が変わって「並び請求」を見ることももなくなりましたし)

あと、②③のパターンの方は振込額も変わるので税抜に源泉が普通なんですが、このパターンになった途端に計算が複雑なせいか税込に源泉で払われていることが多いので、企業側もどういう経理にしているか見直した方が良い気がします。

振込額は変わらないので請求者側には関係ないですが、企業から出ていくお金としては税込計算の方がもちろん多くなりますからね。

<例>
・税込33,411円だと源泉-3,411円で30,000円の振込
・税抜30,063円だと源泉-3,069円、消費税3,006円で30,000円の振込

むしろこの場合だと請求者側の所得税を企業側が多く払ってくれていることになり、その分確定申告での所得税の差し引きも大きくなるため、請求者側としては還付されるかもしれない金額が多くなる可能性もあって有り難いんですが、支払う企業側としては無駄に多く払っているだけということになってしまいますので。(もちろん企業側も決算の際に支払った源泉分を差し引くので損するわけではありませんけどね)

まぁそんなことをここで伝えても企業の人がこのページに辿り着くことはないだろうから、いらん心配かもですが…w

請求パターン⑤

最後は請求者側が一番多くもらえる5つ目。3万円に消費税と源泉を上乗せして、税込で33,000円ぴったりもらえる増し増しパターンですw

③でも書いた通り今後は税込でのやりとりが当たり前になり、最初に提示しない限りこのパターンは減ってくるかもしれませんが、源泉の上乗せ同様、まだ使われる可能性は大いにあります。

相手の意図しない請求書を送ってしまっても「源泉分は上乗せせずに再度送り直してくれ」と言われるくらいの手間なので、であれば一度増し増しで出してみるのは有りだと僕の恩師は言っていましたw

しかもそれで通っちゃうことも結構あるんだとかww

でも④のところでも書いたようにあまり良い手段とは言えませんので、くれぐれも真似をなさらぬように!(まぁそれもこれも業種と会社によると思いますけども…)

そしてこちらも④同様、税抜に源泉を計算するようにしないと企業側が先に多く源泉を払うことになります。

それを分かった上でこの請求方法であえて税込に源泉計算をした請求書を送るなんていう悪用を決してしちゃいけませんからね!(悪い顔←)※冗談ですw

というわけで、ここまで5つのパターンをご覧いただいて、とにかく見えてくるのは、源泉を税抜計算することも合わせて

請求書に「税抜額・消費税・源泉額」の項目は絶対に必要

ということです!

そこだけはしっかり押さえておきましょう。

請求書のフォーマット

さて、ここまでで請求の仕組み、どうするのが良いかは分かったと思うので、そのポイントを完璧に押さえた請求書を作っていきましょう!

ただ、ゼロから請求書の仕組みまで解説すると更に長くなってしまうので、よければ僕が作ったものを使っていただけるとw

ダウンロードはコチラ
※Dropboxのプレビューページに飛びます。

開いていただければ分かりますが、自動計算表付で提示された報酬に合わせて税抜で源泉を引いたものと、手取契約の計算表をそれぞれ用意してあります。

3万円までは5千円刻みで一覧にしてあり、それ以外の金額の場合は黄色の「自由入力」のセルに希望の報酬額(税込)を入力すれば、税抜の金額とそれに対する源泉額と消費税、それらを計算した合計の請求額が表示されるという仕組みで、実際の請求書の方にも同じ関数が打ってあるので、税抜単価と数量を入力するだけで合計額まで自動入力される優れものです。

もしこれまでの使い慣れた請求書フォーマットをお持ちの方もこの計算表を計算機代わりにお使いいただけると良いと思いますので!

ちなみにデータ内にも書いておきましたが、小数点を切り捨てにしている関係で、金額によって±1円の誤差が出てしまうため、請求額や税込額が合わない時は請求書に単価を入力する際に±1円して調整してください。(請求書の方でも同じようにズレる可能性有りです)

もちろんそれによってもらえる金額や先方が払う金額が変わるわけではないので、安心していただいて大丈夫ですからね。

さいごに

そんなわけで長々書いてきましたが、これで請求書のことをかなり理解出来たのではないでしょうか?!

知らなかっただけで今まで数百円単位でずっと損してたかもしれない…という声が聞こえてきそうですw

細かいことを何も書かない請求書を出しても正しく計算してくれる会社がほとんどだとは思いますが、全てを向こうに委ねるのではなく、今後は報酬金額が税込なのか、手取りなのか、明確にして取引できるとより良いかもしれませんよね。

これからも正しい請求で、楽しい個人事業を!w

お互い頑張りましょう!!

追記:請求書に関連して、個人事業主向けの会計ソフト『freee会計』の使い方とそれを利用した確定申告のやり方をまとめたので、興味のある方はこちらもどうぞ!

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