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【性能比較】11インチiPad Air (M2) ベンチマーク結果 2024|Geekbench6 , AnTuTu Benchmark , 3DMark

投稿日:2024年7月12日 更新日:

先日の本体レビューに続いて、その時にも触れたiPad Air (M2)の内蔵GPUがこれまで使われてきたM2チップのGPUと比べて10コアから9コアにダウングレードされていたこともあり、その時はGeekbench 6でのベンチマーク結果のみでしたが、その他のアプリも含めたベンチマークを試すことで更に詳しい性能比較をしてみようというのが本日の本題です!

単純に記録として残しておくと各ベンチマークでの比較をしたかった人の参考にもなりますし、僕としても今後出る製品との比較に役に立ちますからね。

また、SNSやブログ記事等では真偽不明の説や予測が語られていて、そういったことのちょっとした検証も兼ねています。

それでは早速いきましょう!

11インチiPad Air (M2) ベンチマーク

Geekbench 6

Geekbench 6

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というわけで、まずは前回のおさらいも兼ね、『Geekbench 6』(ギークベンチ6)でのベンチマーク結果です。

※上がCPU、下がGPUの数値。

そして、M1チップを搭載した前モデルであるiPad Air 第5世代では以下のような結果で、事前のApple Eventにて語られた通りの性能アップとなっていたというのが前回までの内容でした。

まぁうちのiPadで数回計測した結果で「情報の通り」とするのは信ぴょう性が低いので、ここではGeekbenchに掲載されているiPhone・iPadの計測結果の平均を見比べてみましょう。(初稿時現在)

※赤枠がM2 iPad Airです。(以下ランク表では同様)引用元ページはこちら

こちらはGeekbenchを使って全世界で計測された平均値がまとめられた初稿時現在の最新の結果となっています。

画像だと分かりづらいので、主要なモデルをまとめ直すとこのような感じに。

Geekbench 6 比較表


Single CoreMulti-CoreMetal
iPad Pro (M4)3683 1337553315
iPad Air (M2)2583986741340
iPad Pro 4 (M2)2542966545224
iPad Pro 3 (M1)2277821132183
iPad Air 5 (M1)2265812631807

※見やすいように敢えて11インチモデルのみを抜粋しています。

まず思うこととしては、やはりM4チップの圧倒的パワーですよねw

M3が含まれておらず2世代分の進化となるので余計に性能が高く見えますが、それにしてもこのM4の進化はこれまでと比べものにならない性能アップとなっています。

その数値はシングル性能だけに限って言えばなんと僕が昨年購入したM3 MaxチップのMacBook Pro(約58万円)を余裕で超えていますからね…。(個人的にはめちゃくちゃ悲しい!w)

そう考えるとM2 Airより7万円高いM4 Pro(約17万〜)が逆にお買い得とも言えるわけです。

まぁそれはさておき本題であるM2 Airに着目すると、少しだけ意外だったのは同じM2チップを搭載したiPad Pro 4よりもMulti-CoreにおいてM2 Airの方が高い数値が出ています

正確には今回問題にもなったGPUが1コア少ないため、全く同じM2チップではないのですが、CPUの方はどちらも同じ8コアCPUなため、Single Coreの方はほぼ誤差で同じと言えそうですが、Multi-Coreにおいては平均値でこの結果であれば誤差ではなくM2 Airの方がほんの少しだけ性能が良いと言えるのかもしれません。

とは言え割合としてはたかが2%なので誤差と言えば誤差ですけどw

でも実際にM2 AirでCPUベンチマークを何度か計測してみても先程の通り毎回10,000近いスコアとなるので、GPUが1コアない代わりにCPUの性能がほんの少し高いということであれば、ただのグレードダウンということでもないのかなと。

ただ、その分GPUベンチマークであるMetalスコアにおいては何度やっても41,000前後と、Pro4と比べると平均値で見ても9%程度の数値差が出ていて、これが10コアGPUから9コアGPUにダウングレードしたことによる影響であるというのも正しそうな気がします。

ここについては前回も触れた通り、だからと言って優良誤認させるためだったわけではなく、Apple Eventでも語られていた「M1からCPUが15%、GPUが25%性能向上している」ということに嘘はないため、「サイトの表示だけ間違えてたわ、ごめん!」というのがAppleの見解というわけです。

そうは言っても同じ「M2」という名前を使うのであれば、これまでと同じ性能のものだと思われて当たり前で、上のものにはM2 ProだとかM2 Maxだとか付けてるんだから、今回も「M2 Middle」みたいな下位グレードで棲み分けすれば良かったと思いますけどね。

ま、ここでそんなことを言っても仕方ないですが、そういった背景もありつつ、今日現在の平均値では概ねその流れの通りの測定結果になっているといのが分かりました。

AnTuTu Benchmark (v10)

続いて、こちらもベンチマークアプリとしてはポピュラーな中国発の『AnTuTu Benchmark』(アントゥトゥベンチマーク)です。

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近年は電気自動車のベンチマークを測定できるようになったと話題になっていましたね。

ちなみにAndroid版は現在Google Play上からプライバシーポリシー違反の疑いで削除されているらしいです。

そんなAnTuTuはGeekbenchとは違い、CPU・GPU・MEM・UXという4項目を一度に計測し、各項目のスコアを足したものが総合スコアとして表示されるのが特徴となっています。(MEMはROMとRAM、UXは操作性のテストです)

アプリのバージョンは10.0.3で、先程のGeekbenchもそうですが、ベンチマークアプリはバージョンによって測定方法やスコアが変わるため、過去の数値を参考にする場合も同じバージョンのアプリが使用されているかを必ずご確認ください

というわけで早速計測してみた結果がこちら!

これだけ見ても分からないと思いますが、1,970,524というのはかなり高い方です。

アプリ内でも確認できる6月のランキングを見ると以下の通りで、数値だけで言えば4位に入ることになります。

AnTuTu Benchmark 比較表


Score
iPad Pro (M4)2,550,344
iPad Pro 4 (M2)1,940,108
iPad Air (M2)1,871,210
iPad Pro 3 (M1)1,678,292
iPad Air 5 (M1)1,617,625

※こちらも11インチのみ。

まぁ平均化されたランキングの数値で比べると13インチを除いた場合は3位ではありますが、それでもM2のProと10%も差があるような感じではないので、GPUだけではなく総合的な性能という点においては価格の割にちゃんと結果を出せているのではないでしょうか。

M4と比べると霞んでしまいますけどね…w

なお、このAnTuTuについては計測環境の影響も多少あり、試しにSoC部分を冷却(空冷)しながら計測したところ、2,101,104というスコアを記録したので、実は性能のポテンシャルはもう少し高めな可能性があることも興味深かったです。

このチップの発熱に関しては通常のパソコンでも言われることで、温度が上がりすぎて機器が壊れてしまうのを防ぐために「サーマルスロットリング」という機能があり、ほとんどのチップで温度上昇と共にパフォーマンスが抑えられる仕組みになっています。

それこそMacBook Proは冷却ファンを搭載しているけど、MacBook Airにはないので、高負荷時のパフォーマンスはProの方が高いとか、そもそも各社発熱しづらいチップを開発する等、処理能力と熱の問題は昔から試行錯誤されてきました。

そういった背景もあり今回のM2 Airのチップは熱に弱く、すぐにサーマルスロットリングが起きてしまっているのでは…といったことを書いている人もいましたが、確かにAnTuTuでは冷却することでスコアが伸びたりはするものの、そこまで顕著な差とは言えませんし、それこそGeekbenchでは冷却によるスコア差はありません。

また平均値とは言え、GPUのコア数の違うM2チップを搭載したiPad Pro 4には、GeekbenchのMetalスコア以外どれも上回っていますからね。

Geekbenchを走らせるとかなり熱を持ちますが、もしこのM2 Airがサーマルスロットリングが起きやすいチップやモデルなのであればM2 Proに他の数値でも負けていると思うので、決してM2 Airだけが特別なハンデを背負っているような感じはないというのが筆者の見解です。

3DMark

というわけで今回3つ目の比較となる最後を飾るのは、フィンランド発のベンチマークアプリ『3DMark』(スリーディーマーク)です。

3DMark

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元々はWindows向けの3Dグラフィックス性能を測定するベンチマークアプリとして長い歴史を持つアプリケーションですが、2020年にPCだけでなくiOSやAndroid端末でも利用できるようになり、主に映像(GPU)に特化したベンチマークとして前述までの2製品と同様に人気なアプリとなっています。

また、前出の2アプリと違い、負荷の種類の違う計測方法がいくつかあるのも特徴で、今回は

  • Solar Bay – レイトレーシング(Ray Tracing)テスト
  • Wild Life Extreme -ARM向けGPUパフォーマンステスト

という、中でも負荷の高い2つのテストにおいて

  • 通常モード – 1分間のテスト
  • Unlimited(無制限)モード – フレーム数は固定で解像度やリフレッシュレートの制限のないテスト
  • ストレステストモード – 20分間のテスト

それぞれを測定した結果で比較したいと思います。

それでは早速、まずはSolar Bayから。

※通常→Unlimited→ストレステストの順です。

こちらも公式サイトで確認できるランキングを見ると以下の通りでした。

※引用元はこちら

3DMark Solar Bay比較表


Score
iPad Pro (M4)14,269
iPad Pro 4 (M2)8,657
iPad Air (M2)7,208
iPad Pro 3 (M1)6,412
iPad Air 5 (M1)6,356

※11インチのみ抜粋。

こちらはさすがGPUに特化したテストだけあって同じM2であるはずのProとAirではっきりとした違いが出ましたね。

平均値では10%以上のスコア差が開いているため、やはりコア数が少ないというのは間違いなさそうです。

そして相変わらずケタ違いのM4 Proね。

M2 Proと比べても倍近い性能差って一体どうなっているんでしょうかw

しかも1つ興味深かったのは、Unlimitedモードにて、本来であればこちらの方が更に負荷が高くなるため、通常モードに比べて数値が低くなるのが普通なんですが、M4に関しては何故かこちらの方がスコアが高くなっているという前例を見ない結果も…。

それでいて1,000も高いってどういうこと?!

これが第2世代の3nmチップの底力ということなんですかね。。

ちなみに、Solar Bayのストレステストは計測している人が少ないのかランキングが更新されていなかったので、誰かの参考になるように詳細な結果だけこちらに貼っておきます。

続いて、もう1つのテストであるWild Life Extremeではこのような結果となりました。

こちらもランキングが更新されていませんが、最新モデルを除いた結果だと以下の通りで、やはりM2 AirはM2 Proの下につくような結果となりそうです。

なお、こちらではなぜかUnlimitedモードでM2 Airでもそこまで数値が落ちず、計測タイミングによっては通常モードの方がスコアが下回ることもあったので、結局Unlimitedモードだからといって単純に負荷が高いというわけではないのかもしれません。

また、先程同様ストレステストの詳細が以下で、Xにて興味深いポストが出ていたので合わせて紹介しておきます。

このポスト(正しくはリンク先のYouTube動画)ではM4とM2 ProでのWild Life Extremeストレステストの結果を比較していて、その数値は言うまでもなくAirよりもProの方が高いのですが、その他に注目すべき点としてM4 Proのパフォーマンスの落ちなさを評価していました。

逆にM2 Proでは時間経過と共に前述したサーマルスロットリングが起き、段階的にパフォーマンスが落ちているという指摘なわけです。

ただこれに関してはM2 Airでは似た挙動をした結果もありましたが、どちらかというとM4 Proと同じようなグラフ推移の方が多かったので、その通りとも言えなさそうでした。

※こちらはM2 Airのグラフの抜粋。

とは言え動作の安定性を示す「Stability」を確認すると58%(平均でも58〜61%程)とM4と比べて安定性も少ないのは間違いありません。(ポストのM2 Proは更に低いですけど)

まぁここについては室温等の計測の環境も分かりませんし、計測の度に結構変わったり、サンプルが少なすぎるためこれだけで結論付けるのは早すぎますが、細かい性能差やモデル毎の特徴としてそういったことがあるかもしれない可能性を考慮して、価格を比較しつつお選びいただくのが良いのかもということが伝われば幸いかなと。

あと、僕が今回この比較をしようと思ったのも、実はとある海外の方のポストで、「M2 Airが3DMarkの高負荷テストにてコア数の多いはずのM2 Proより数値が上だった」というのを見たのがきっかけで、それが本当だとしたらコア数騒動で残念がっていたユーザーに超朗報じゃん!と思って嬉々としていたのですが、結果、そんな期待も虚しくそうではないことを証明してしまいました…w

さいごに

以上の結果から、前回記事では現行品の中から用途に合わせておすすめのモデルを紹介しましたが、ベンチマーク性能のみを元にこれからiPadを新たに購入することを改めて考えると…

①ゲーム(や映像制作)が最優先で予算は気にせず最高性能を求める人は『11インチiPad Pro (M4)』

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※もちろん大きいのが嫌でなければ13インチでもOK。

②ゲーム(や映像制作)が最優先で価格を抑えたい人は『iPad Pro 第4世代(M2)』

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※整備済み品なら更に価格を抑えることも!

③ゲーム(や映像制作)にはそこまでの性能を求めず、その他の用途で特にApple Pencil Proを使いたい人は『11インチiPad Air (M2)』

という3つから選ぶのが良いと思います!

M4は見ての通りこれまでのモデルとは比べものにならない高性能モデルなので、一世代前のPro4がまだ約12万円ということを考えると、もうプラス5万円でこのモンスタースペックが手に入ると思ったらなぜか17万円が安く感じる程というのが、こうして性能を数値で見せられると余計に思えるのではないでしょうか。(本当か?w)

次に、そこまでの予算はないにしろ、やはり用途としてゲームが主なのであれば、そこは最新のM2 Airではなく敢えて一世代前のPro4を選ぶべきで、もちろんGPUのコア数が違い映像の部分においては間違いなくPro4の方が性能が上だからという理由も大きいのですが、それともう1つ、Pro4のリフレッシュレートが120Hzであることが理由です。

この違いはゲーム設定を細かく調整できるゲームこそ感じると思うので、M2 Airとの約3万円の価格差を考慮してでもそちらを優先するべきかなと。(120Hzから使い始めてしまうと違いが分かりづらいとは思いますが)

そして、それ以外の用途である程度の処理速度を求められる用途に使いたい場合にはM2 Airを選ぶべきだと思います。

ベンチマーク結果からも分かる通り、CPUにおいてはスペックシート通りPro4と同じ8コアで、ほぼ変わらない性能数値が出ているにも関わらずそれが3万円安く買えるというのはどう考えてもコスパが良いですからね。

浮いたお金でApple Pencil Proを購入しても1万円余りますし。

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というのが新型iPad Airを始めとするベンチマーク結果と、その比較から見えてくるiPadの選び方でした!

GeekbenchとかAntutuとかに比べて3DMarkはあまり計測している人がおらず情報が少ないので、もしこの記事を読んでいる方の中で当該モデルをお持ちの方がいましたら、是非何度か計測してみて、この記事と一緒に結果をシェアしていただけたら嬉しいです。(記事をXでシェアいただくとこちらに分かるようになっています。もちろんDMやリプライでもOKです)

当ブログではこのようにガジェットレビューを中心に今後も製品やソフトの使い方を解説していますので、参考になったという方はXのフォローやサイトのブックマークをしていただけると励みになります!

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

また次回もお楽しみにー!!

追記:その後M3 Maxチップ搭載のMacBook Proの本体レビューにて、M3 Maxのベンチマークも測定しています。

今回紹介したM2やM4とどのくらいの性能差となっているか、気になる方は是非チェックしてみてください!

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