さて、先日レビューした今年発売の新型iPad。それと同時に発売されたのが今回紹介する
『Apple Pencil Pro』
です。
Apple Pencilといえばこれまで「第1世代」から始まり、「第2世代」、そして「USB-C」というように発売されてきて、第2世代のレビュー記事は当ブログでも沢山の方にお読みいただいた人気記事の1つでした。
その第2世代の発売からは実に6年!
今回大幅なアップグレードをして新発売されたので、また長く読んでいただけるよう、しっかりレビューしていきたいと思います。
それでは本日も一緒に見ていきましょう!
目次
Apple Pencil Pro レビュー
外観とセットアップ・対応機種
というわけで、まずは開封の儀から外観のチェックをしていきます。
横スライドで引き抜く形状の箱から出すとiPhone等でもお馴染みの説明書のセットが顔を出しました。
基本的な技術仕様が様々な言語で記載されているのを確認できますが、特に読む必要はないでしょう。
今年のiPadから付属されなくなってしまったリンゴシールはこういったアクセサリ類には元々付属しませんが、もちろん入っていません。
そしてその説明書の下にPencil Pro本体が収められています。
早速薄紙を剥がして本体を確認していきましょう。
見た目や形状はロゴが「 Pencil Pro」となったこと以外に大きな変化は見られません。
実際に第2世代であるApple Pencil 2と比べてもこのような感じです。
画像では分かりづらいですが、ロゴの色がProの方がほんの少し薄くなっているという変化があるくらいで、その他は全く同じで、ペン先については実は全てのApple Pencilにおいて互換があるとのことでした。
サイズも長さ166mm・直径8.9mmで2と同じため、恐らく同じ筐体が使い回されていると推測できますが、本体の重量に関してはProが19.15g、2が18.2gとおよそ1gの違いがあります。
とは言え1gなので、持ち比べても体感では分かりませんけどね。
そんな感じで見た目や形状が同じため、iPadとのペアリングや充電といった使い方においても大きな変化はなく、対応したモデルのiPadの右側面に近づけるとペンの平らな面がマグネットで吸着し、これでペアリングが完了し、充電も開始されるという仕様になっています。
第2世代以降はこのマグネットによる吸着とペアリングに対応しているのがとても便利で、2台のiPadを運用している場合にも、本体側面に付けるだけでものの2秒でペアリングされて使い始められるため、複数台所有者にとって大きなメリットでした。
ただし裏を返せばiPad本体がなければ充電ができないというのがデメリットでもあり、充電中はiPadの電池が結構な速度でなくなっていくので、コンセント環境のない出先でどちらの電池も少ないと焦ります。
まぁ最近は外でも充電ができるところが増えてきたのでiPadの充電器さえ忘れなければ大丈夫だと思いますけどね。
それが嫌な人のためにApple Pencil USB-Cというのが発売され、こちらは本体にUSB-Cポートを備えているため、ケーブルで充電することが可能なモデルとなっています。(充電はできませんがiPad本体とマグネットで吸着は可能)
しかも絶妙なのは、それぞれ機能が少しずつ違うため、ただの充電方式の違いのみで選ぶことができないし、対応機種もかなり複雑に絡み合っているため、むしろ間違ったモデルを買わないよう注意が必要です。
対応機種一覧
Apple Pencil Pro | Apple Pencil 第2世代 | Apple Pencil USB-C | Apple Pencil 第1世代 |
iPad Pro (13インチ) (M4) | iPad Pro 12.9 第6世代 第5世代 第4世代 第3世代 | iPad Pro (13インチ) (M4) iPad Pro 12.9 第6世代 第5世代 第4世代 第3世代 | iPad Pro 12.9 第2世代 第1世代 |
M4 iPad Pro (11インチ) (M4) | iPad Pro 11 第4世代 第3世代 第2世代 第1世代 | iPad Pro (11インチ) (M4) iPad Pro 11 第4世代 第3世代 第2世代 第1世代 | iPad Pro 10.5 iPad Pro 9.7 |
iPad Air (13インチ) (M2) | ― | iPad Air (13インチ) (M2) | ― |
iPad Air (11インチ) (M2) | iPad Air 第5世代 第4世代 | iPad Air (11インチ) (M2) iPad Air 第5世代 第4世代 | iPad Air 第3世代 |
― | ― | iPad 第10世代 | iPad 第10世代 第9世代 第8世代 第7世代 第6世代 |
― | iPad mini 第6世代 | iPad mini 第6世代 | iPad mini 第5世代 |
※横にスクロールが可能です。
どうやっても見づらいんですが、色々試して表のサイズが一番小さくなるものを選んだ結果こうなりました。
基本的には左から順番にグレード順になっていて、価格や機能として右にいくにつれて安く、機能も制限されていく感じですね。
そんな現在の対応状況をざっくりまとめると
- Apple Pencil Proに対応しているのは最新のProとAirの4機種のみ
- Apple Pencil 第2世代に対応している機種とApple Pencil Proに対応している機種はApple Pencil USB-Cが使える
- Apple Pencil 第1世代に対応している機種でApple Pencil USB-Cが使えるのはiPad 第10世代のみ
ということになっています。
分からない人からしたら文字に起こしても余計に混乱するかもしれませんが、とにかく使ってみたいApple Pencilの欄に自分の機種がなければ購入しても使えませんので、必ずご確認ください。
個人的には新発売のApple Pencil Proが最新のiPadでしか使えないことと、これまで使っていたApple Pencil 第2世代が最新iPadで使えなくなったことにびっくりしちゃいました。
つまりこれまで何かしらのiPadとApple Pencilを使っていた人が最新機種に乗り換えると、強制的にApple Pencilも買い換える必要があるということです。
くっ、これが最新のApple商法か…w
なので今回ここでApple Pencil Proの良さをいくら伝えても、使うためには最新のiPadが必要になるため、今後の対応状況にもよりますが、現状はそのようになっているということも覚えておきましょう。
使い方と新機能
それではここから実際の使い方と新機能を紹介していきます。
使い方と言ってもタブレット用のスタイラスペンであることに変わりはないため、前述の通りペアリングしたらあとは対応のアプリでペンを走らせるだけで、手書きでメモやイラストが描けるというのが基本です。
まずは一番体感のしやすい「メモ」アプリにて新規メモを立ち上げた後、右上のペンボタンを押して落書きでもしてみるのが良いと思います。
ただのメモであれば当ブログでも散々紹介させてもらったサードパーティー製のスタイラスペンと書き心地はさほど変わりませんが、今回のProでは上記メモにも書いた通り、新たな新機能が4つ搭載されたので、それらの機能をここから1つずつ紹介していきましょう。
バレルロール
その1つ目が「バレルロール」という機能で、これまでラインマーカーのようなツールを使う場合、書き出したあとでペン先の向きを変えるということができませんでしたが、Proでは書きながらペン自体の向きを変える(回転させる)ことで、ペン先の向きを変えられるようになりました。
つまり従来であればメモのラインマーカーで四角を描くと以下の左のようになっていたのが、途中でペン先の方向を変えることで右のようにできるようになったという感じです。
※左が第2世代で右がPro。
もの凄く伝わりづらいですが、2ではどうやっても右のようには描くことができませんからね。
まだアプリ側が対応していないものも多いですが、特殊なブラシを使って本格的にデザインをしていく人にとっては有り難い機能だと思います。
スクイーズ
2つ目は「スクイーズ」機能。
これは一般ユーザーにも便利な機能で、ツールを切り替えるパレットメニューをApple Pencilを握り込むことで表示させたり非表示にするといったアクションが行えるようになりました。
今後アプリケーションによってはここに何のコマンドを割り振るか変更できるようなものも出てくるでしょうし、純正のメモアプリでもいちいち画面の端にペンを持っていかなくてもツールの切り替えやコマンドの実行ができるようになったのはめちゃくちゃ便利です。
触覚フィードバック
3つ目はこれまでもMacBookのトラックパッドに採用されてきた「触覚フィードバック」機能で、先程のスクイーズやダブルタップでの操作の際に押した感覚を返してくれるので、正しく動作していることや動作間違いに気付きやすくなりました。
ほんとにこの機能はAppleの大発明の1つだと思います。
探す
4つ目は個人的に待望の「探す」機能への対応です。
以前iPad mini 6のレビューをした時にボソっと書いていたことがようやく実現されました!
※こちらその時の記事の一文です。
まぁAirTagや他のデバイスと違ってスピーカーを搭載していないので、音も鳴らせられなければ「紛失モード」にも対応していないので、そのことを分かっている人に拾われてペアリングされてしまったらどうしようもないですけど、AirPodsを含むアクセサリ類にそれを搭載してしまうとコストも上がるし、そのせいでペアリングの解除ができていない誰も使えないゴミが中古市場に次々に出てきてしまいますからね。
どちらを優先するか難しいと思います。
なのであくまで簡易的な探す機能ではあるものの、ないよりは安心感が違うので、搭載されて良かったなと。
以上の4つがこれまでにないProモデルの新たな機能として追加されたというわけです。
もちろんそれ以外にも、2の時から引き継いている「筆圧感知」、「ダブルタップでのツールの切り替え」、「ホバー機能」を備えているため、ペン1本でかなりの操作や機能が使えるようになりましたよね。(※Apple Pencil 2のホバー機能はiPad Airでは利用不可)
また、今回はM2 iPad Air 11インチのレビューの際にも書いた通り、対応したペンの影まで描画されるという謎機能を備えているのも話題になりました。
個人的にはこんなことをやっているから処理能力が必要で最新iPadにしか対応してないんじゃないかと思っているんですが、どうなんでしょうね?w
とは言えやはり6年ぶりのアップグレードということもあり『Apple Pencilここに極まれり』という感じで、これを買っておけば間違いないモデルになったのは良かったというのが総評です!
さいごに
そんな新機能満載のApple Pencil Pro。もちろん今回もこの記事のトップ画像になっているX用のポストカードもPencil Proで描きました。(確認のためにXでシェアしてみてね←)
さすがにかなり扱いにも慣れてきて、質感は全く違うものの、紙に描く感覚とそこまで変わらずに描けますし、拡大縮小やアンドゥ、回転等が手軽にできることを考えると個人的には紙よりもよっぽど簡単に描けるというのが今日まで使ってきた感想です。
その代わりお値段はなんと21,800円と一般的なペンからしたらめちゃくちゃ高いんですが、実は現行で販売されているApple Pencil 2と同額というのが意外でした!
円安の影響で発売当時の2よりは高くなっていますが、当時のレートで15,950円と同等と思うと安く感じますよね。(そんなことないかw)
現在はUSB-Cモデルがそのくらいの価格なわけですが、ただ書ければ良いということであればこれまで紹介してきたサードパーティー製のスタイラスペンもかなり頑張っているので、そちらも合わせてご検討いただくのが良いかもしません。
今のところサードパーティー製のものだと「筆圧検知」と「ホバー機能」に対応したものを見たことがないので、それがどうしても使いたくてProや2は高いという人が選ぶのがUSB-Cという感じですかね。(そんな人かなり限られそうですが…wそしてUSB-Cの方も残念なことに筆圧検知機能はありません)
ただ、文字よりも絵を描く方が比重が大きい人は「筆圧感知」やProでの新機能の全てがプラスになるので、そういった人はサードパーティー製のものではなくProを選んだ方が絶対に良いと思います。
とは言えそのために少し古いiPadとApple Pencil 2を全て買い換える必要があるかと言われると難しいですけど、利用頻度や使用アプリの対応状況等も確認しながらご検討ください!
というわけで、本日はAppleの新製品Apple Pencil Proをレビューしました。
当ブログではこれ以外にもApple製品やその他ガジェットを多数レビューしていますので、興味がある人は是非他の記事も覗いてみていただけると幸いです。
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それでは、また次回もお楽しみにー!