
前回に引き続きRaspberry Pi企画第2弾!
タイトルとサムネイルでネタバレしていることもあり、出オチ感が否めないのですが、なんと今回は
『iMac G3 miniを作ってみた』
というテーマをまとめていこうと思います!!
Mac miniでもiMacでもなく「iMac G3 mini」ですからね。
2026年に何を言っているんだというのはいつものことで、そもそもiMac G3を知らない人の方が多そうだからネタが通じない心配感もありつつ、この世に存在しないものを勝手に生み出しちゃおうというなんとも無茶なテーマなんですが、こうして記事になっているということは無事に成功しているわけでして、経緯や完成までの過程を備忘録として記録しておこうという企画となっております。
※こちらがAppleのiMac G3 (Slot Loading)。クリックで画像の引用元(Wikipedia)に飛びます。
もしかしたら僕以外にも作りたくなってしまう人がいるかもしれませんからね。(多分いないw)
今回も最後までお付き合いいただけると幸いです。
それでは早速みていきましょう!
目次
きっかけ
そもそもRaspberry Piとは…、という話は前回の記事に書いたため割愛するとして、その前回からこのラズパイを使った小型PCの活用というのを模索していて、まずはバッテリー駆動で持ち運び可能なサイバーデッキPCを完成させたのが先日投稿したこちらの記事となっています。
自分で書いておきながら一体どこに需要があるんだろうと半信半疑でしたが、これが今日までかなり多くの方に読んでいただけていて、記事を参考を実際に作った人も出てきたりと、とても嬉しくまとめた甲斐があったわけですが、その企画と並行して進めていたのが今回の企画で、それこそ前回はRaspberry Pi 5というラズパイの中でも比較的スペックの高い新しいモデルを使用しましたが、それと同時期に今回使う『Raspberry Pi Zero 2 W』というモデルも手に入れていて、こっちではどんなことをやってみようかと色々と考えていたんですよね。

ご覧の通りPi 5よりもさらに小型な65×30×5.2(mm)というサイズに、ポート等も必要最低限でメモリも512MBしかありませんが、これが当時3,300円で購入できたため、本当にちょっとしたシステムを開発するのに向いているということで、どのくらいのことまでできるのかPi 5と比較することも視野に入れつつ、購入した経緯があります。

ただ、例によってこちらもこの半年で価格が8,000〜13,000円に爆騰してしまって、これを読んだからと言って気軽に真似することができなくなってしまったのは想定外ですが、正規代理店のKSYや秋月電子通商では、在庫はないものの価格はまだ3,000円前後での表示のままなので、もしかしたら今後また同じくらいの価格で手に入る日が戻る可能性もあるため、興味のある方は在庫復活の時を待ちましょう。
技適マークがないものならAliExpressにもう少し安く出ていますが、グレーな使い方になってしまいますし、ちょっと怪しげな出品も多いため、おすすめできませんからね。
これも安かった時に10個買っておけば良かったと後悔もありつつ、今になっていたらちょっと高すぎてこんな企画すらできなかった可能性もあるので、運は良かったかなと思います。
そういった流れがあり、Pi 5と一緒に何をやろうか悩んでいたところに見つけたのがこちらの動画。
この動画の後半(4:20〜)にてMac OS 9をRaspberry Pi Zero 2 Wで動かしていて、観た瞬間に「これだ!」と思ったのが最初のきっかけになります。
また、それと合わせて動画前半では本物のMacintosh Classic Ⅱの筐体を使って、元々の内部の基盤やブラウン管をを取り除き、新たなディスプレイと一緒にラズパイを載せることでこの現代にClassic Ⅱを甦らせていて、「その手があったか」と今回のアイデアの大きなヒントになりました。
そう思ってヤフオクを覗いてみるとClassic Ⅱの本体もゴロゴロ出品されていますからね。
そういったものを手に入れて全く同じことをするのも悪くないですが、Apple信者と自称する僕が人生で初めて触れたMacがOS9のiMac G3だったことを思い出し、動画のようにOS 9が入れられるなら「あのiMac G3を復活させてみたい!」というロマンがムクムクと膨れ上がって、テーマが決まったわけです。
そうなるとまずは本物のiMac G3の本体を手に入れて、中身を入れ替えて…、となりそうなものですが、iMac G3がどのくらい大きいかはよく知っていて、せっかくPi Zero 2 Wがこんなに小さいのに勿体ないし、「蘇らすならClassic Ⅱみたいなコンパクトな感じが可愛いよなぁ」と考え至り…
じゃあ筐体から作るしかなくね!?
という無茶な結論に辿り着いて、企画がスタートすることになりましたw
まぁ何気にiMac G3を使った外部液晶化だったり、中にMac miniを入れて現代に蘇らすだとかって話題はこれまでもいくつかありましたからね。
中には水槽にした人まで…w
カラフルなiMacをそのまま水槽にした「Macquarium」
https://gigazine.net/news/20111101_macquarium
そういうのとも被っていないとなると、小型化かなとというわけで決めたのも理由の1つなわけです。
なので多分
世界初
だと思います。(見つけられてないだけかも)
ケースの作成
というわけで、そんなロマンを達成させるべく、まずはiMac G3の筐体となるケースを作成していきましょう。
3Dモデリングはいつも通りオートデスクのFusionを使用していきますが、FusionってCADソフトなだけあって直線的な立方体を作るのには向いていますが、曲線的なものは簡単ではなく、僕自身もほとんど作ったことがなかったので、本当に手探りな状態から始めることになりました。
最初はなんとか直線から作ってあとから丸めることでどうにかなったりしないかなと思いましが、それだと理想の形にはならず、最終的には「フォーム機能」を使って粘土をこねるような感じで形を微調整しながら作成していくことに。
Fusion上にiMac G3の上下左右前後の写真を取り込み、それぞれがなんとなく合うように若干デフォルメしながらコネコネしていきます。

これがなかなか思い通りの形にならず、何度もやり直しつつ整えていって、なんとかそれらしい大枠ができたら、そこからディスプレイのサイズを決めて、それに合わせて全体の縮尺を変更するといった手順で進めていきました。
ちなみに採用したディスプレイはこちら。
ELECROWの5インチディスプレイです。


ラズパイ用として販売されていて、タッチ操作可能となっていますが、OS環境によるようで、通常のラズパイ起動であればタッチ操作可能だったものの、Mac OS上ではタッチ操作はできなかったため、その点はご注意ください。
もう少し大きな7インチくらいのも良いかなと思いましたが、3Dプリンターの印刷可能サイズをはみ出してしまうこともあり、そんなことも加味しつつ、ディスプレイをはめ込む位置を決めていきます。

ここで1つ悩んだのは、本家iMac G3はディスプレイのアスペクト比が正方形に近い(正確には4:3)ですが、現在のディスプレイはほとんどが16:9のため、見た目のバランスが同じにならないことですね。
かと言ってこのくらいのサイズ感のディスプレイで4:3や正方形のものなんて存在していませんし、まぁそこはデフォルメだと割り切りつつ、先に進んでいきます。
そして、おおよその形が決まったら前面パネルと背面パネルにボディを分割して内部を空洞にくり抜きました。


その後内側にディプレイを固定するネジ穴や前面の装飾部品を作って

その他必要な穴やはめ込みパーツを設計したら、パーツモデリングは完了です!


見よう見まねで作った割には、我ながら満足のいく仕上がりとなりましたね。
まぁ文字にするとたったの15行くらいでサクサクと進んでいるように見えますが、実際にはとんでもないくらい右往左往していて、一番予期していなかったのが、所有していた3Dプリンターの最大印刷サイズギリギリで作っていたつもりが、いざ印刷というところで曲面部が微妙にはみ出していて印刷できず、なんと…
このためにまさかの3Dプリンターを新調したことです。
いやー、もうここまできたら引き下がるわけにも行かず、モデリングの制作工程的にもほんの少しサイズを小さくすれば解決するようなことでもなく、イチからモデリングし直すか、プリンターを買い直すかの2択で、最新機種が気になっていたこともあってこれを言い訳に買っちゃいましたw

ここ数年で「FDM/FFF式3Dプリンターと言えばコレ」というくらい人気なBambu Lab(バンブーラボ)社のA1という機種ですね。
一回り小さいA1 miniならセールで26,000円で買えちゃうという異常な安さも人気の秘訣です。
以前所有していたFlashForgeのAdventurer3からこの5年で速度も精度もかなり進化していて、試してみたいとは思っていたものの、3Dプリンターもそこまでヘビーに使っていたかというとそうでもなく、なかなか踏み切れませんでしたが、この企画と並行して進めていたラズパイ5のサイバーデッキケースでも3Dプリンターを使う必要があったため、新調するなら今しかないなとw
しかも、この企画をスタートした当初はiMacのケースも所有していた白と薄緑みたいな色のフィラメントで作ろうと思っていたのですが、プリンター購入時にBambu Labのフィラメントページを見ていたら半透明のPLAフィラメントを見つけ、「これiMacのボンダイブルーと全く一緒やんけ」となって、謎に運命めいたものを感じたのも購入の後押しになったのもあります。
これに半透明のPETGフィラメントを合わせたら完全なiMacの再現になりそうということで、予算を無視して必要なものを全て揃えました。
結果色んな面において買って良かったことは間違いなく、A1も素晴らしい機種だったわけですが、3Dプリンターのレビューはまた別記事でまとめるとして、話を本題に戻します。
そんなこんなで必死で作ったモデリングデータを無駄にすることなく印刷できるようになり、実際に印刷したのがこちら。



これも結局3パーツで印刷しましたが、最初は色ごとにクリアパーツとブルーパーツの2つにしたところ、形的にサポート部分が多かったり、そのせいでクリアパーツの印刷に31時間かかり、しかもフィラメントもスプールの半分である500gも使うという感じになってしまい、それでいて実際に印刷してみたら、印刷自体は成功したものの、サポートを剥がすところで本体が割れるという最悪な事態となったため、別に販売するわけでも大量生産の予定もないですが、なるべく失敗が少なく、フィラメント量を抑えるためにも3分割で印刷することにしました。(ちなみにスピーカーやディスクドライブ部分のパーツは別で印刷して接着しています)
ケースのみで組むとこのような感じ。




3Dプリンターの精度のおかげもありますが、なかなかそれらしくできていますよね。
突起を作ってはめ込むだけじゃなくラズパイケースで得たスナップフィットの構造を活かして上面と左右に爪を作って噛ませてあるため、一度組んだら簡単には外れない構造になっているのも拘りのポイントです。(りんごマークや天面の持ち手等、モデリングや印刷において煩雑な部分はデフォルメとして割愛しています)
MacintoshPiの準備
無事にケースの印刷と組み込みが確認できたところで、ここでラズパイに戻り、OSの準備をします。

例によってキオクシアのmicroSDカードを用意して(今回は32GBを使用)、前回同様Raspberry Pi ImagerにてOSを書き込みますが、ここでは公式のOSではなく、先程紹介した動画の投稿主でもあるJaromazさんがGitHubやサイトで公開している「MacintoshPi SD card image」を使用する必要がありました。

これも最初何が何だか分からず、チャットAIに言われるがまま、GitHub経由で入れたら全く動かなくて、OS9のエミュレーターであるSheepShaverのみを入れたり、色々試したのですが、そっちの方法では一切うまくいかず、改めてページを普通に読んでみたら、「これをSDカードに入れるだけ」って書いてあって、英語を読むことを諦めてチャットAIを信じた自分を呪いましたねw
前回はカスタムイメージを使ったインストールはラズパイの初期設定がスキップされるからおすすめしないと書きましたが、MacintoshPiを使う場合は「カスタムイメージを使う」から、上記サイトよりダウンロードした「MPi.img.gz」を使ってOSの書き込みをするようにしましょう。




これでMacOSを含めた全てのOSの準備が完了となります。

ラズパイとケースの組み込み
ここまでの準備が整ったらラズパイをケースに組み込んでいきます。
ELECROWのディスプレイにZero 2 Wをネジ留めしたら

映像用のHDMIケーブルやディスプレイ電源用のUSBケーブルを接続して、ケースにディスプレイをネジで固定します。

ここで使ったケーブル類は実は前回記事で最終的に必要なくなったフラットケーブルを流用しました。
こういうことでもないと使い道がないので、無駄にならなくて本当に良かったです。
ちなみにこのHDMIの向きを自由に選んでリボンケーブルと合わせて自作できるコネクタはとても便利だと思いました。

こうやってケースに干渉しないコネクタ部が小さなケーブルは、市販品では絶対にありませんからね。
次にケースの下側にはマウスやキーボードを接続できるようにUSBハブを取り付けられるようにしました。


これもUSB-AとCに対応しているもので、それらが左右両側にあるコンパクトなハブは恐らくこれしかなかったので、このハブがぴったりハマるようにケース内に枠を作って外れないように設計しています。
ハブからPC側へのケーブルにUSB-C to Aの変換アダプターがくっついてしまっているのが見た目が悪いですが、まぁ内部は見えなくなるので気にせずいきましょうw
あとはそのハブと電源も含めてZero 2 Wに接続する必要がありますが、Zero 2 WはUSBコネクタが全てMicro USBのため、2つのポートどちらにもMicro USB to USB-Cの変換アダプターを使ってUSB-C接続できるようにしました。

その変換にはいつもスマホのケースやフィルムでお世話になっているNIMASOから2個入りのものが安く出ていたのでそれを使っています。
他社のも同じでしたが、なんでこの手の変換アダプターってストラップみたいな余計なアクセサリーが付いてるんですかね?

そのせいで2つ横並びに接続できなかったため、ストラップ穴の部品をラジオペンチでもぎ取って使うことにw

近い将来ラズパイZero 3が発売される時にはポートが全てUSB-Cになっていることを願いつつ、ケースの背面パーツを取り付けたら…
iMac G3 miniの完成
となります!






ディスプレイが入るとより一層それっぽくなりますよね。
半透明フィラメントのおかげで内部が透けているのも狙い通りでバッチリでした。
なお、底面は本家では折りたためる脚がついていますが、そこも再現するとなると大変なのでフラットにしているものの、後ろ側の小さな脚は一応つけてあります。

こういうことをやると印刷に時間もかかるし、サポート材も必要になるので本当はない方が良いんですけど、そんな拘りも自由にできるのが自作の醍醐味なのかなと。
起動
無事に組み込みも済んだところで、ちゃんと起動するかも含めて、電源を入れてMacintoshPiの挙動も確認していきましょう。

MacintoshPiではデフォルトでCLI(コマンドライン)起動するようになっているため、このように起動時のチェック項目が流れていき、しばらくすると以下のようなトップ画面が表示されます。

画面にも表記されているように、ここで「mac os7」や「mac os8」や「mac os9」と入力することでそのOSを立ち上げることができる仕組みになっているため、キーボードを接続して立ち上げたいOS名を入力(ここではOS9)して実行すると…

そのまま各OSが起動します!

おおー、懐かしい起動画面!!
このケースにこの映像が表示されたらこれはもう誰がどう見てもiMac G3でしょう!

ハブを搭載したことでこのようにキーボードとマウスを取り付けられ、問題なく操作できていますからね。

※ポートの上下が逆さまなのはご愛嬌。
しかもZero 2 W自体はBluetoothやWi-Fiに対応していますが、この時代のMac OSにそれらの設定項目がないため、あえて有線接続できるG3オリジナルのキーボードとマウスをわざわざ買ってきてるの偉くないですか?w

※撮影ブースでは入りきらないので別デスクにて。
本体と比較したサイズの違和感が凄いですけどww
そんなiPhoneより小さい、手のひらサイズのiMac G3 mini、皆さんも作ってみてはいかがでしょうか!


さいごに
そういったところで、文字に起こすと今回もあっという間に完成している感がありますが、こちらも前回同様とんでもなく紆余曲折あってなんとか完成しています。

なんてったって途中で3Dプリンターを買い直してるんだからヤバいですよねw
他にも実はサイズ確認を間違えて7インチディスプレイを買っていたり、Micro USB接続できるハブを購入したり、今回も余計な出費が多々ありました…ww

わざわざ購入したiMac G3のオリジナルキーボードとマウスもこの用途以外に使う予定はありませんし。



ただのロマンのために一体いくら費やしたんでしょうか。。
でも良いんです!
どこかの誰かに一人でも「すげーっ」って思ってもらえたらそれだけで充分なので!w
こういう事例があることでラズパイや3Dプリンターの可能性がまた1つ見出せていたら嬉しいですしね。
なんならこのキーボードとマウスも小型化したものを作ってやろうかとも思ったくらいですが、そうするとさらに半年くらいかかってしまいそうなので、それはまた気が向いたらww
ちなみに、もしかしたら気付いた人もいるかもですが、OS9のみ自分でROMを用意してOSを入れ替え、日本語化しているという小さな拘りも。

MacintoshPiは海外製なだけあってOSは全て英語版ですからね。
言語設定がOSに依存しているなんて今では考えられませんが、Mac OS 9.0.4までであれば対応しているので、それを用意してSheepShaverにて立ち上がるようにしたROMとHDDを入れ替えることで可能でした。
とは言えこれもなんだかんだ結構大変で、そこもまとめだすと更に長くなってしまうので、今回は割愛します。


※こちらはOS7とOS8を起動したところ。
でも久しぶりに懐かしいOSに触れてとてもノスタルジーな気分になりつつ、無事に完成した満足感を得られて良かったです!
ただ、ブラウザは使えないし、当時の特筆したアプリケーションが入っているわけではないため、用途としてはインテリアくらいしかありませんが、遊びに来た人に面白がってもらえるよう飾っておこうかなと思いますw
というわけで、本日はここまでとさせてください。
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