
さて、またまた古いモデルのMacがタイトルになっていますが、そんなタイトルの通り本日はMacBook Pro 2018 15インチモデル(A1990)のバッテリー交換について解説していきます!
少し前にもMacBook Pro 2017のSSD交換の記事を書いたばかりで、およそ10年前のモデルでも「まだ使える」と書いたように、この辺りの年代のMacを使っている人ってまだまだ多いですよね。
とは言え、とうとう次のmacOSにて全てのIntel Macのサポートが正式に打ち切られることになったので、持ってあと数年かもしれませんが、その「あと数年をなんとか凌ぎたい!」ということで知人から持ち込まれたのが今回のMacBookとなります。

大きな傷もなく一見とてもキレイな状態のMacに見えますが、角度をつけて見てみるとこのように蓋がちゃんと閉じていません。

そう、なんとこちら、バッテリーが膨張して蓋が閉じなくなってしまった個体なんです。
裏側から見ても膨張によって裏蓋が変形しているのが分かる程で、そのせいでトラックパッドも反応しない部分があったりと、使用に支障をきたすような症状となっていました。

今にも爆発とか発火とかしそうで怖いですが、こんな状態ではあるものの、CPUもメモリもSSDも全てスペックアップしてある当時の最上位スペック機種ということもあり、この状態でもう何年も使ってきたらしく、今の仕事ではなんの不自由もなく使えているからこそもう少し延命したいけど、さすがにこのままでは怖いし単純に使いづらいということで持ち込まれた経緯があります。
そんな当時フルスペックで40万円前後したものがこの8年で中古市場において8〜9万円前後になっているのを見ると少し悲しい気もしつつ、逆にそのくらい値が付くうちにリセールして新しいMacを購入する足しにするのも良いかもしれないですが、売るにしてもバッテリーが膨らんだままよりはしっかり充電できて問題なく使用できる方が良いに決まっていますからね。
ちなみにこのモデル、バッテリー膨張の症状が他のモデルに比べると多く報告されている印象で、「MacBook Pro バッテリー膨張」で検索してもこの2018モデルでの事例が最初に出てくる程だったりします。
もちろんAppleの修理プログラム(リコールリスト)に入ったりしていませんが、そういう症状が出てしまったことで相場より安く出品されることもあるかもしれないし、そういったものを入手して自分で交換して使うという場合にもこの記事を参考にしてもらえるんじゃないかなと。
まぁなかなかこの時代にフルスペックの2018モデルを中古で買いたい人がいるかと言われるとかなり希少なので、今回のようなモデルはリセールには向きませんが、バッテリーを変えるだけであと2〜3年使えるなら全然有りですよね。
何気にmacOSも15であるSequoiaまで対応していますし、一番新しいTahoeまでは届きませんでしたが、Sequoiaまで来られれば用途によっては無理すればあと4〜5年くらい行けちゃう可能性もありますから。
そんな可能性を秘めたMacBook Pro 2018モデルのバッテリー交換、今回も最後までお付き合いください!
なお、同じ15インチでタッチバー付きのMacBook Pro 2019も全く同じ筐体で、この記事と同じ手順にて交換可能なため、そっちのモデルの方もこのまま読み進めてもらって大丈夫です。
それでは早速いきましょう!!
目次
MacBook Pro 2018 (15インチ) A1990モデルのバッテリー交換方法
下準備
というわけで、そんなMacBookのバッテリーを外すべく下準備から始めていきます。
今回も毎度お世話になっている、ほぼ全てのAppleデバイスの分解方法が載っている『iFixit』(アイフィックスイット)を参考にしていますが、このモデルのバッテリー交換ではロジックボードを完全に外す手順になっていて、工程が多く、それだと事故を起こす可能性も高くなってしまうため、iFixitと共に参考にしたのが以下の動画です。
こちらの方法ではロジックボードを半分外して浮かせるだけとなっていて、その少しだけ浮かせたロジックボードにバッテリーのパーツを潜り込ませるのが少しだけコツがいりますが、全部外すよりシンプルで再現性が高いため、初めての人ほどこちらの方がおすすめかなと。
言語が理解できなくても手順を見ていくだけで何をしているか分かりますしね。
細かいネジの種類を把握したり、そのネジをどこに戻すか不安になった時にはiFixitの方を確認する等、どちらも見ながら進めていくとかなりスムーズだと思います。
MacBook Pro 15″ Touch Bar 2018 バッテリーの交換方法
https://jp.ifixit.com/Guide/MacBook+Pro+15-Inch+Touch+Bar+2018+バッテリーの交換方法/122269
そんな資料の準備と共に、当たり前ですが交換用バッテリーの準備をしてください。
今回は僕が用意したわけではなく依頼者が買って持ってきてくれたもので、Amazonの中では相場より安いものを選んだとのことだったので少し不安でしたが、その不安は初手で的中しますw


それは付属のドライバーが使えなかったことです。
僕はいつも使っているドライバーセットを持っているので大きな問題ではなかったですが、そういったものを持っていなくて付属ツールを期待してこのバッテリーを買った人は裏蓋すら開けられないのでご注意ください。
具体的に言うとビットの先端がネジより小さくて、全く回らないし、無理にやればネジ穴を壊してしまう可能性すらあるので。
しかも裏蓋のペンタローブネジだけでなく、内部のへクスローブネジもダメでしたからね。
僕がいつも紹介している精密ドライバーセットも安いだけあって全くおすすめできる品質ではないですが、それでもなんだかんだもう6年使っているし、雑に扱わなければ今回のようなバッテリー交換もちゃんとできるため、全然マシですのでw
最初のころ即行でビットの頭をなめてしまったのは僕の使い方が悪かった可能性もあるため、よく使うビットは2つずつ入っているし、しっかりとネジ頭に当ててゆっくり回せばその後なめたことはないので、扱う場合はそのようにしてください。
いい加減そろそろ質の良いのを買おうかなとも思ってるんですけどね〜。
そういったこともあって付属品の中にバッテリーの接着剤を剥がす剥離剤のようなものも入っていましたが、中身がなんなのか信用ならなかったため(多分IPAな気がするけど書いてないw)、そこについても体に悪くない毎度お馴染みの無水エタノールとニードルボトルを用意しました。
もちろん無水エタノールも無害ではないですし、気化しやすく、引火する可能性はもの凄く高いため、火の元がないところで充分に換気しながら作業する必要があることはお見知りおきを。
バッテリーの付属品で役に立ったのはディスプレイを守るカバーとバッテリーを剥がすヘラくらいだったため、そういった仕様でも問題ない人は上記のバッテリーをご検討ください。
物理的な準備物として以上で、あとはバッテリー交換においてお馴染みの「バッテリーをスリープ状態になるまで使い切っておくこと」と、ディプレイを開いた際に電源が入ってしまう「Auto Bootをオフにする」というのをやっておきましょう。
このバッテリーを減らすというのも一般的には動画を流しておくというのが良く知られていますが、更に言うとYouTubeにて「4K HDR」みたいな検索ワードで出てくる動画を文字通り「2160P60 HDR4K」で音を出しながら再生していればみるみる減っていくので、時間がないときにおすすめです。
ブラウザをSafariからChromeに変えて8Kを再生するという手もありますが、個人的な体感では8K動画より4K HDRの方が消費電力が多い気がしました。(SafariはYouTubeの8K再生に対応していません)
これはこのバッテリー交換手順の最後に出てくる「バッテリーのキャリブレーション」でも使えるため、覚えておいてください。
そして、AutoBootのオフについてはiFixitにも書いてある通り、ターミナルを開いて
sudo nvram AutoBoot=%00※元に戻すときはsudo nvram AutoBoot=%03。
を実行してパスワードを入れるだけでOKですので。(ターミナル上でパスワードを入力しても表示されないのは仕様です)
これらが完了すれば準備万端ですね!
分解
それでは、ここからはバッテリーにアクセスするためにMacを開けていきます。
付属のドライバーを早々に捨ててw、P5ペンタローブドライバーにて慎重にネジを回していきますが、膨張のせいでなかなか回らないところが2箇所くらいありました。
また、裏蓋を軽く押さえたまた開けていかないと蓋がバネのように反発してネジが飛んでいきそうにもなったので注意しましょう。(バッテリー膨張している場合のみ)
このネジを見失うと探すのは相当大変なので。。
またネジの長さも上部と下部で長さが違うため、どこから外したか分からなくならないように、外した形のまま置いていくとあとから戻しやすいと思います。
本来であればネジを外してから吸盤等を使って裏蓋を持ち上げて爪を外していくという工程がありますが、今回はバッテリーの膨張により、ネジを外したら爪も勝手に外れてしまいました。
その後、前回と同じく裏蓋を手前側(下側)にスライドさせることで完全に外すことができるのですが、これが変形しているせいもあってかめちゃくちゃ固く、一瞬諦めそうになるくらいで、何か道具を使って良い方法がないかと模索したものの特に思い浮かばず、最終的には力ずくでなんとか外すという感じだったため、膨張している皆さんは覚悟しておきましょう。
この辺かなり焦っていて写真を撮っている余裕がなかったのでiFixitからの引用で恐縮ですが、オレンジ枠の部分が爪がハマっている場所で、赤枠の金具が本体と噛み合っているのをスライドで外す必要がある場所という感じですね。
2017のMacBookも同じ仕様だったのでその時の画像も流用すると、この隙間に指を入れて下側に下げるというのをフルパワーMAX120%でやって外せたので、指もめっちゃ痛いですけど頑張ってください。

まぁバッテリー膨張の度合いによっても違うと思うので、あまりオーバーに書くと拍子抜けな人もいそうですけどw
そんなこんなで無事に裏蓋を外したところがこちら。

これだけでもバッテリーがどれだけ膨らんでいるかよく分かりますよね。
近くで見るとこんな感じ。


今回のは結構埃だらけだったのでエアダスターを吹きつつ、軽くお掃除しながら進めましょう。
次にバッテリー上のコネクタを一通り外していきます。


ネジで止まっているのは5箇所。
ここからは先程のペンタローブではなくへクスローブネジになり、主にT5とT3を使うことになります。(バッテリーの基盤を固定しているネジのみP2)
また、トラックパッドのリボンケーブルはバッテリにテープで固定してあるため、それも剥がしてしまって大丈夫です。

iFixitではここも温めながら剥がすことでバッテリー側ではなくケーブル側に粘着を残して剥がせるような説明になっていますが、まぁ最終的にネジでカバーを固定するため外れる可能性は少ないですし、テープで留めなくても問題はないと思います。
気になる人は両面テープでも用意しておいて戻す時に接着しましょう。
手順の通りバッテリー上のネジとコネクタが全て外せていればOKです。

続いて、トラックパッドを外すべく固定しているネジを全て外します。

全部で13本、ネジの種類としてはT5ですが、場所によって長さが2種類あるので、これも外した形のまま残しておくのがおすすめです。
まぁ分からなくなってもiFixitを見れば分かるので、ぐちゃぐちゃになってもなんとかなりますけどねw
全てのネジが外れたら、この状態のままディスプレイを開ける(正確にはバッテリー側を持ち上げる)とトラックパッドが取り外せます。

ちなみにこのトラックパッドには全てのネジ穴にワッシャーが付いていて、これが息を吹きかけるだけで吹き飛んでいくくらいすぐに外れるので、失くさないように要注意です。

またディスプレイを開けたついでに、このあとのことを考えてディスプレイの保護シートを挟んでおきましょう。
バッテリーを剥がすための無水エタノールがディスプレイ内に侵入してしまうのを防ぐ目的なので、付属されていなければラップのようなものでも代用可能だと思います。
あとはロジックボードを浮かせるために下記画像の箇所のネジを9本外して

必要なコネクタを外せばバッテリーを外す準備は完了です。


※詳細は冒頭で紹介した動画と合わせてご確認ください。
そしたらニードルボトルに無水エタノールを入れて、バッテリーの隙間に流し込んでいきます。

動画でやっている通り結構じゃぶじゃぶとかけていって問題なく、バッテリーと本体ボディ面に浸透するように機体を傾けたりして、約1分程度放置してください。
1分経ったら付属のヘラをバッテリーの下に入れて左右に振りながら押し進めていけば、みるみるうちに剥がれてバッテリーを外せます。

もしなかなか剥がれないようであれば、無水エタノールを追加して、もう少し時間をかけてからやってみてください。(無理に力で剥がさないよう注意)
なお、上記のように残ってしまったテープ痕を剥がすのも同じやり方でかなりキレイに剥がすことができるので、せっかくならキレイにしておきたいですよね。

剥がれづらいところは再度無水エタノールをかけて少し置いて、ウェットティッシュみたいなものでゴシゴシと拭くだけで取れてくれますので。

バッテリー交換
ここまできたらもう終わったも同然!
交換用のバッテリーを用意して

まずはフィルム等を剥がさずにバッテリー基盤やケーブルをロジックボードの下に潜り込ませて位置を決めます。

ちょうどバッテリーとロジックボードを接続するタブが持ち手になってくれるため、そこを摘んで持ち上げ、左右のフラットケーブルから少しずつ入れていくと入りやすかったです。
位置を決めるポイントとしてはバッテリー基盤のみネジ留めなので、その穴が合うところに調節するのが良いと思います。

まぁケーブルも多少遊びがあるので、大きくズレていなければ大丈夫ですけどね。
不安だったら先にここだけネジ留めしてしまうのも有りかなと。
そんな感じで位置を決めたらバッテリー裏のテープのフィルムを剥がし、本体と接着していきます。
大きく分けると4つのブロックに分かれているので、端から順に貼っていくか、僕はバッテリーを持ち上げたままフィルムを全て剥がして、一気に貼り付けてみました。

右側が微妙に曲がってる気もしますが、蓋が閉まれば問題ないのであまり細かいことは気にせずにいきましょうw
あとは来た道を戻ります。
念のためバッテリーの取り付け位置が問題ないか、先にバッテリー基盤のネジから締めてください。

次に外したコネクタ類を戻して、ロジックボードの固定ネジを留めます。

そしたら再びディスプレイ面を開けて、トラックパッドを戻します。


取り付けるときに先程のワッシャーが外れてしまわないよう注意しつつ、ネジを締めたらフラットケーブルもコネクタに付けておきましょう。

コネクタのカバーも忘れずに。

これがあるおかげでケーブルが外れることはないため、テープで固定しなくても大丈夫だと思いますので。
最後にロジックボードとバッテリー基盤を固定するタブを戻して、コネクタを接続し、その部分を保護するためのプレートを貼り付ければ…



バッテリー交換完了となります!

ここで一度テスト起動してみるかは人それぞれですが、僕は裏蓋まで戻しちゃいます。

変形の痕が若干残ってはいるものの、ネジもしっかりと締められ、特に問題なさそうです。
購入したバッテリーがどのくらい充電されているか分からないため、ここから一旦充電して様子を見つつ、本体の状態を確認していきます。

ちなみに替えたてのバッテリーは92%と表示されていて(キャリブレーションが必要なので表示が正しくない可能性もありますが)、蓋もしっかり閉まるようになっているし、トラックパッドの反応も全く問題なく、今回も大成功と言って良いでしょう!

バッテリーのキャリブレーション
バッテリーが無事に交換できたらキャリブレーションを行います。
方法はiFixitのものを参考にしてください。
バッテリーのキャリブレーション
https://jp.ifixit.com/Wiki/Battery_Calibration
ラップトップ用の内容を抜粋するとこのような感じ。

ここにも記載があるように「バッテリー充電の最適化」をオフにすることを覚えておきましょう。

※「システム設定」→「バッテリー」→「バッテリーの状態」の右にあるⓘマークより。
あとは充電するのは簡単ですが、放電するのが結構時間がかかりますかね。
そんな時には冒頭でも伝えたように以下のような動画がおすすめです。
※「設定」から「2160P60 HDR4K」を選んで再生してください。
恐らくこの動画を全て流し切る頃にはバッテリーが切れていると思いますので。

その後また100%まで一気に充電してキャリブレーションも完了です。
さいごに
というわけで、今回も事故なくバッテリーを交換することができましたね!
前回のSSD交換に比べると外すネジも多く、少し難易度は上がるかなと思いましたが、どのネジをどこから外したかという管理さえしっかりしておけば初めての人でも交換できると思います。
あと個人的な難関は裏蓋を開けるところでしたが、そこは症状によって個人差があるのかなと。
交換してから数日使ってもらいましたけど特に不具合はなく、逆に内部を掃除したこともあってか交換以前はYouTubeを観るだけでファンが回っていたのが解消されたとのことで、今回もとても喜んでもらえて良かったです。
当該機種をお持ちで、せっかくのMacBook Proをもう少し延命したかったという方は是非参考にしてみてください!
そういったところで、本日は以上にしたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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